真夏に水の上にさく蓮の花・蓮華。
仏教の花の一つともされます。
仏さまは蓮華の上におられ、蓮華から生まれるといわれます。
今回は、蓮華のお話です。
清らかで、平等、慈悲の蓮華
世界のものは全て因縁で成り立ち、そもそものもの自体に浄不浄・善悪などはなく、本来必ず清らかなものです。
そして、蓮華は、泥の中でも汚れに染まらない花とされます。
そこで、仏教では、蓮華を、全ての世界のものが清らかな象徴とします。
さらには全ての世界のものは、因縁より生まれた清らかな大きな一つの世界(密教でいう大日如来)の一部であり、全ては自分と一体であり、平等です。
そこで蓮華を、世界のものが全て同じ平等であることの象徴ともし、自分へ向けるのと同様の他者への慈悲(苦を抜き、楽を与える)の象徴にもなります。
仏さまは蓮華より生ず
蓮華から生まれるというのは、蓮華が生命誕生の象徴であり、神を生み出す母体、とされたエジプトの影響があるといいます。
砂漠地帯のエジプトでは、水の周りに生命が集まり町ができます。その水に上に咲く蓮華は、生命誕生の象徴でもあったそうで、紀元前3000年前のエジプト王家も統一を表すシンボルとして蓮を用い、蓮華は神の花・王の花でもあったそうです。
蓮華から、世界の見方、平等や慈悲の考え方、生命まで思いめぐらす。そんな日々の繰り返しで、少しずつ自分も、世界も変わるはず。